「VPNを使うとネットの速度が遅くなる」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、実際にどれくらい影響があるのか気になりませんか?
本記事では、VPNを利用した際の通信速度の変化を実際に測定し、VPNなしの状態と比較しました。
速度がどれほど低下するのか、どのような条件で違いが出るのかを詳しく解説します。さらに、VPNを使いながらも快適にネットを利用するための改善策についても紹介します。

ブイセツ「VPNは遅いから使わないほうがいい」と考えている人も、この記事を読めば意外な結果に驚くかもしれません。では、さっそくテスト結果を見ていきましょう。
VPNを使うとネット速度は本当に遅くなるのか?


VPNを利用すると「ネットの速度が遅くなる」と言われることが多いですが、結論から言えばVPNの使用によって速度が低下する可能性は高いですが、その程度はさまざまな要因によって異なります。
ここでは、VPNが通信速度に影響を与える主な理由を解説し、どのような場合に遅くなりやすいのかを見ていきましょう。
VPNが通信速度に影響を与える理由
VPNを利用することで速度が低下するのは、主に以下の3つの要因によるものです。
- 暗号化による通信負荷
- サーバーの距離と混雑状況
- VPNプロトコルによる違い(OpenVPN、WireGuard、IKEv2 など)
暗号化による通信負荷
VPNはデータを暗号化することでセキュリティを強化しています。
この暗号化プロセスにはCPU処理が必要であり、特に強力な暗号化方式(AES-256 など)を採用しているVPNでは、その負荷が原因で通信速度が低下することがあります。



ただし、最近ではWireGuardのような軽量なVPNプロトコルが登場し、より高速な通信を実現することも可能になっています。
WireGuardは、世界のVPN業界全体でも最新かつ最高速のトンネリングプロトコルで、OpenVPNをしのぐ最先端の暗号化技術です。参考:https://www.wireguard.com/
サーバーの距離と混雑状況


VPNに接続すると、インターネットの通信はVPNサーバーを経由することになります。このため、
- 物理的に遠いサーバーに接続すると、データの移動距離が増え、遅延(Ping値)が大きくなる
- VPNサーバーの利用者が多い場合、帯域が圧迫されて速度が落ちる
といった影響が出ます。特に無料VPNはユーザー数が多く、サーバーが混雑しやすいため、速度低下が顕著になりがちです。



利用者が多いエリアで通信を行えば混み合うのはどのネット回線でも同じですが、VPNでもそういう事象が起きるということです。
VPNプロトコルによる違い(OpenVPN、WireGuard、IKEv2 など)
VPNにはさまざまな接続方式(プロトコル)があり、それぞれ通信速度に影響を与えます。
代表的なVPNプロトコルとその特徴を比較すると以下のようになります。
| VPNプロトコルの種類 | 速度 | セキュリティ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| WireGuard | 高速 | 高い | 高速かつ最新のプロトコル |
| OpenVPN(UDP) | 普通 | 高い | バランスが取れたプロトコル方式 |
| OpenVPN(TCP) | 遅い | 高い | 安定性重視 |
| IKEv2 | 高速 | 高い | モバイル向き |
| L2TP/IPsec | 遅い | 普通 | 古い方式で速度が出にくい |
特にWireGuardやIKEv2を採用しているVPNサービスは、従来のOpenVPNよりも高速な通信を実現できます。
正直言うと「VPNによる速度低下は避けられないもの」という前提の話を元に、
- 高速なVPNプロバイダーを選ぶ
- 近くのVPNサーバーに接続する
- 高速なVPNプロトコルを利用する
といった工夫によって、ある程度は改善することが可能です。



では、実際にVPNの通信速度はどれくらい変化するのか?気になる速度変化について以下では具体的な測定データをもとに検証していきます。
実際にVPNの通信速度を測定してみました


ここでは実際にVPNありとなしの状態でインターネットに接続した状態でどれくらいの速度低下が起きるのかを検証します。
テスト環境と測定方法
測定方法に使用する環境と測定方法については以下です。
測定に使ったデバイス・回線
- iPhone 16 Pro(楽天モバイル 5Gエリア)
- Google Pixel 7a(格安SIM(IIJmio:ドコモ回線)4Gエリア)
- MacBook Air(NURO光 2G:Wi-Fi 6での接続)
- レッツノート Windows 11(NURO光 2G:有線LANケーブルでの接続)
- ポケットWi-Fi:Rakuten WiFi Pocket Platinum(楽天モバイル 4Gエリア)



光回線の「Wi-Fi接続」「有線LAN接続」そしてスマホの「5G」「4G」、ポケットWi-Fi+スマホの「4G」接続それぞれでチェックしていきます。
使用したVPNサービス


- Nord VPN(世界でトップシェア+サーバー数が最も多い)



VPN別の速度比較を事前調査で行ったところ、Nord VPNが日本国内利用では最も高速に使える記事やSNS情報が多いのでNord VPNを検証用として使用しています。
もちろん海外で使用する場合はExpress VPNなども選択肢に入るかもしれませんが、混み合った場合のサーバー数の多さで回避できるは設置サーバー数が多いNord VPNの方が有利になるでしょう。
| サーバー数 | 設置国数 | |
|---|---|---|
| Nord VPN | 8,400台以上 | 126カ国 |
| Express VPN | 約3,000台以上 (公式ページでは非公開) | 105カ国 |
参考データ:NordVPNのサーバー数とサーバーのロケーション
Speedtestを使用


パソコン版、スマホ版それぞれ同じテストサービスを使うために「SPEEDTEST」を使用しています。パソコンではWEBブラウザ版、スマホではアプリを使用しています。
サーバー接続は隣国の韓国
日本にもあるサーバーへ接続するとあまり意味がないと思いますので、海外のサーバーでかつそこまで遠くない韓国へのサーバーへ接続を行ってみました。
VPNあり・なしの速度比較結果
通信速度(ダウンロード・アップロード・Ping)の比較表
測定時間は一番込み合うとされる平日お昼の12時〜13時の時間帯で測定しました。
※ 変化率はVPNなしの数値を基準に算出。モバイル回線では暗号化処理の影響でPing値が大きく上昇する傾向があります。
※ Rakuten WiFi Pocketの上り速度は、VPN接続時に逆転現象(速度上昇)が見られました。
結果を見ると、VPN接続を行った場合は、非接続時に比べて上り・下りの速度やping値が低下する傾向が見られます。
ただしモバイル回線の場合は何故か海外サーバー接続時にアップロード(上り)速度が速くなるという逆転現象が起きています。
日本国内VPNサーバー vs 海外VPNサーバーの違い


次は同じNord VPNを使って日本のサーバーへ接続した場合と韓国サーバー、アメリカサーバーへ接続した場合の違いを比較。
※ 韓国サーバーは日本から地理的に近く、Ping値が低めで安定しやすいためNetflix視聴に推奨しています。
※ Ping値が低いほど応答が速く、動画視聴やゲームに有利です(数値が小さいほど良好)。
Nord VPNを使って各国のサーバーでの速度の比較では必ずしも日本のサーバーへ接続することが最速ではないということが判明しています。
またモバイル回線によっては日本のサーバーよりも海外サーバーの方が下り・上り速度共にパフォーマンスが良い場合も多かったです。
速度低下の要因と考察


VPNを利用する際、データはユーザーの端末からVPNサーバーを経由して送受信されます。そのため、以下の要素が速度低下の要因となります。
サーバーの混雑具合
通信速度が低下する要因の一つとして接続する国のサーバーが混雑している場合は速度低下につながるケースが多いです。海外サイトへのアクセスが多い場合は海外拠点に多くのサーバーを持つNord VPNがやはり強い印象。
逆に日本サーバー中心に接続する場合はそこまでパフォーマンスが高くなく、逆に日本企業の運営しているミレンVPNなどが結果が良いかもしれません。
サーバーが遠いとPing値が大きくなる
例えば、日本からアメリカのVPNサーバーに接続した場合、国内サーバーを利用する場合よりもデータの転送距離が長くなるため、通信安定の指標となるPing値の数値が悪化します。
これは上記で検証した日本サーバーと海外サーバーとの比較でも分かるように通信速度にはバラツキがあるものの、Ping値の数値はやはり日本からであれば日本サーバーに接続する方が最も良い結果となっています。
VPNの暗号化プロセスによる負荷
VPNはデータを暗号化することでセキュリティを確保しますが、強力な暗号化を行うほど通信速度に影響を与えます。


よって新しいMacBook Airのパソコンと5年ほど前に販売されていたレッツノートのWindowsパソコンでは同じ回線を使っているのにもかかわらず、VPNの処理が負担となり古いパソコンでは通信速度のパフォーマンスが悪い結果となりました。
通常であれば有線LANで接続を行うWindowsパソコンの方がパフォーマンスが良さそうですが、逆にここではWi-Fi接続をしているMacBook Airの方が通信速度が早かったです。



パソコンだけではなくスマホも同じく端末のスペック次第ではVPNの処理が負担となり快適な通信を妨げる要因の一つともなりえそうです。
VPNの速度を改善する方法


今回の検証のようにVPNを使用すると、セキュリティやプライバシー保護のメリットがある一方で、通信速度が低下することがあります。
しかし、適切なVPNサービスを選び、設定を最適化することで、速度の低下を最小限に抑えることが可能です。



以下ではVPNの速度を向上させるための具体的な方法を解説します。
【速いVPN】サーバー数・ロケーションが豊富なサービスを選ぶ
VPNの速度は、サーバーの数や配置されている国の数によって大きく影響を受けます。
サーバー数が多いと、より近いサーバーを選択でき通信低下を回避することができます。
日本で知名度が高いVPN4社
![]() ![]() | \今回検証で使用したVPN/ | |||
| サーバー数 | 2,000台以上 | 4,500台以上 | 8,400台以上 | 500台以上 |
|---|---|---|---|---|
| 設置ヶ国数 | 140ヶ国 | 100ヶ国 | 126ヶ国 | 45ヶ国 |


Nord VPNの例で言えば日本に接続できるサーバーは東京・大阪の2つの二拠点がります。



また各国にサーバーを設置しており、NetflixやHulu、ディズニープラスなどの海外独自配信のコンテンツを閲覧するようなシーンでもこのサーバー数、ロケーションのバリエーションは多いに越したことはありません。
WireGuardなどの軽量プロトコルを使う
VPNの通信速度は、どのプロトコル(通信方式)を使うかによっても変わります。
| VPNプロトコルの種類 | 速度 | セキュリティ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| WireGuard | 高速 | 高い | 高速かつ最新のプロトコル |
| OpenVPN(UDP) | 普通 | 高い | バランスが取れたプロトコル方式 |
| OpenVPN(TCP) | 遅い | 高い | 安定性重視 |
| IKEv2 | 高速 | 高い | モバイル向き |
| L2TP/IPsec | 遅い | 普通 | 古い方式で速度が出にくい |
特にWireGuardは、近年多くのVPNプロバイダーで採用されており、従来のOpenVPNよりも約2〜3倍高速と言われています。速度を重視する場合は、WireGuard対応のVPNを選ぶのがおすすめです。
- Nord VPN(世界シェア・サーバー数 No.1)※通信速度優先におすすめ
- ミレンVPN(日本企業運営・台数無制限+安い)※コスト優先と日本サーバーメインにおすすめ
- Surfshark VPN(無制限接続+コスト最安)※コスト優先におすすめ
元々のネット接続を速くするための設定・工夫


VPNを接続するとVPN接続なしの状態から平均して2/3、もしくは1/2の通信速度の低下が想定されます。
よってそもそものネットワークを快適にできる土台のスペックを良くすることも非常に重要です。
光回線なら回線プランやルーターの見直し
光回線を利用している場合でも、回線プランやルーターの見直しはVPNの速度改善において非常に重要です。
- 1Gbpsの光回線でも実測値が遅い場合10Gbpsプランへの変更を検討する
- IPv6対応プランに切り替えると、混雑を避けやすくなる(特に夜間)
IPv4 over IPv6(IPoE方式)を利用できるプロバイダーを選ぶと、VPN使用時でも速度低下を抑えられることがあります。
Wi-Fi接続がメインであれば最新のものに
Wi-Fiルーターがもしも5年前以上の古いタイプであれば、ここ数年でWi-Fi規格も大きく変わり、無線接続でもより高速通信が可能になっており、できればルーター乗り換えを推奨します。


Wi-Fiの最新規格はWi-Fi 7でIEEE802.11beです。有線LANではなく無線接続を行っているのであれば電波干渉が少ない新しい規格のWi-Fi通信ができる状況にしておくとは不可欠です。
| 規格名 | 最大速度 | 周波数帯 |
|---|---|---|
| Wi-Fi 5(IEEE802.11ac) | 6.9Gbps | 5GHz |
| Wi-Fi 6(IEEE802.11ax) | 9.6Gbps | 2.4GHz+5GHz |
| Wi-Fi 6E(IEEE802.11ax) | 9.6Gbps | 2.4GHz+5GHz+6GHz |
| Wi-Fi 7(IEEE802.11be) | 46Gbps | 2.4GHz+5GHz+6GHz |
ただしWi-Fi規格は受信する側のスマホやパソコンのデバイスのスペックもそれに対応している必要があります。
DNSサーバーを高速なものへ変更する
DNSサーバーは何も設定をしなければ自動で割り振りされたサーバーへ接続されていますが、CloudflareやGoogle提供のDNSサーバーへ指定変更することで速度が大幅に改善する期待ができます。
| 提供会社 | プライマリDNS (優先DNSサーバー) | セカンダリDNS (代替DNSサーバー) |
|---|---|---|
| Google Public DNS (Google) | 8.8.8.8 (IPv4の場合) 2001:4860:4860::8888 (IPv6の場合) | 8.8.4.4 (IPv4の場合) 2001:4860:4860::8844 (IPv6の場合) |
| Cloudflare | 1.1.1.1 (IPv4の場合) 2606:4700:4700::1111 (IPv6の場合) | 1.0.0.1 (IPv4の場合) 2606:4700:4700::1001 (IPv6の場合) |
| OpenDNS | 208.67.222.222 | 208.67.220.220 |
| Quad9 | 9.9.9.9 | 149.112.112.112 |
CloudflareのDNS(1.1.1.1)は世界最速レベルの応答速度を誇り、Webサイトへのアクセス時の「名前解決」を高速化します。
スマホ、パソコン、タブレット、ゲーム機などあらゆるデバイスでこの高速のDNSサーバーへの接続を手動で行うことを推奨します。
もちろんこれはオンラインゲームに限らずその他の用途でも有効です


光回線を10ギガメインで品質が高いものへ切り替える


最近ではインターネット回線も10ギガタイプをメインとして、ここ5年ほどで飛躍的に通信速度が向上しており、もしもひと世代前の光回線のプランなどを使っている場合は、これを機に光回線のサービスを見直すのも一つの手でしょう。



特にVPN接続中に動画ストリーミングなどを快適に視聴するには、十分な通信速度を確保できる高品質なネット回線が求められます。
おすすめの光回線選びの記事


スマホ回線なら5Gもしくは格安SIM以外
スマホの回線を使ってVPNへ接続を行うのであれば、デフォの通信速度が大きな要となるので、通信品質が低い格安SIMではVPNへ接続してコンテンツを楽しむのは非常に厳しいです。



みんなのネット回線速度で利用者から集められデータを共に、ここで紹介している格安SIMの平均下り速度の通信品質を比較すると以下のようになりました。
2026年6月1日時点の平均速度データ
(直近3ヶ月に測定された平均値)
ポケットWi-Fiは基本スペックが高いもの
ポケットWi-Fiを普段から使用してネットワーク通信を行っているのであれば、基本スペックが高いモバイルルーターを用意すべきです。



最近では5Gエリア内で5Gエリア対応のポケットWi-Fiを使うことができれば、下り速度は光回線並の通信品質を得られるケースも増えています。
【まとめ】VPNは本当に遅いのか?


VPNへ接続することにより、高セキュリティのトンネルを潜っての海外サーバー等への接続を行うためにどうしても速度低下は間逃れません。
そこでVPN接続でも快適に通信ができるようにするためには
この2つを改善することでVPN接続状態でも比較的良い通信状態でサービスを利用できるようになるため、今一度自身のネット環境やVPNサービスをの見直しと工夫が必須であると言えます。
特にVPN接続でネットワークが切れる方、ネットに繋がらないという方、もしも無料VPNを使用している場合はそもそものアクセス拒否や制限があるなどの理由もあります。



VPNに接続しならがらコンテンツを快適に楽しむためには、それなりのコストは必要不可欠であるということも忘れてはいけません。
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